伊江島は、日本のうたごえが総力をあげてとりくんで完成させた歌劇「沖縄」の舞台となったところです。
沖縄青年合唱団として歌劇「沖縄」ハイライトを、ぜひ当地で上演したいとの思いで、伊江島公演にふみきりました。
きびしく苦しい土地闘争をたたかった現地での公演だけに、安易な気持ちで公演することは許されません。
そこで、歌劇「沖縄」の台本の読みあわせをするなど、伊江島のたたかいについて理解を深めながら、レッスンにも力を入れて公演にのぞみました。
団員20人は、公演当日の5月30日に伊江島に到着。公演は2回公演で6時~8時までは児童・生徒を中心に、8時半~10時半までは一般を対象におこないました。
公演内容は歌劇「沖縄」ハイライトを中心に第1部「青年のうた」、第2部「民謡」、第3部「たたかいのうた」のもりだくさんの内容でした。
最初の公演には400人の児童・生徒が会場の村役所ホールにつめかけ、つぶらな瞳で一生懸命歌や踊りをみ、ききいりました。
8時半からはじまった一般の部には、おりからの大雨をついて60人余のお父さん、お母さんたちがかけつけてくれました。
歌劇「沖縄」で、1950年代に自分たちの島でくりひろげられた土地闘争の一端が再現されると多くの方がたが涙を流しながらみいっていました。
公演をみたある人は「この歌劇を沖縄中に広めてほしい」と語ったものです。
こうして伊江島公演は成功裏に終えました。
※「ひびけ平和のうたごえ - 米軍占領下の沖縄のうたごえ運動」(沖縄のうたごえ運動編集委員会 2004年)より引用