日米安保条約 反対運動と歌劇「沖縄」

(日本のうたごえ実行委員会 関連資料)

1959年

● 日本のうたごえ実行委員会 活動方針 -2月1日決議

[前略]

二.今年度の活動の重点

1、安保条約改悪反対の国民運動と結合したうたごえを広める。

春闘、国民大行進、選挙、メーデー等の具体的な活動を通じてうたごえを広めてゆく。

[後略]

 

※出典:「うたごえ新聞」2月15日付

 

● 日本のうたごえ祭典 基本方針 -10月11日決議

A.スローガン

1.うたごえは平和の力

2.平和のうたごえをさらに高め、戦争準備の安保体制に反対しよう。

3.つぶやきを、ささやきを、うたごえにしよう。

 

※出典:「うたごえ新聞」10月11日付

1960年

● 日本のうたごえ実行委員長 関鑑子氏の年頭あいさつ

[前略]

安保反対は全国民の課題

1959年は、この文のまず最初に掲げたように、平和の希望を明るくした素晴らしい年であった。日本においてもまた、世界の平和情勢の発展と呼応して、警職法反対闘争の勝利に続いて、沖縄・砂川をはじめとする基地闘争、松川闘争、安保改定阻止闘争等、平和への諸闘争は、いずれも高まりを示したものであった。

 

この時期におけるソビエトの軍備全廃提案は、ソビエトにして初めて力を発揮できる提言で...日本における安保改定阻止の問題は、はっきりとこれにつながるもので、日本国民はこれを阻止したいと決意している一方、岸政府はあくまでもこれを押し切る決意を示している。

 

これは平和実現性の日本における問題である。1960年の日本における最初の平和と戦争の対決は、ここから始まると考える。日本における各種の平和闘争は、政府の決意を揺るがし、警職法の経験を活かして、全国民一致して、国民の意志を貫かねばならない。

 

その意味で、母親の運動、婦人の運動を含めて、我々の日本のうたごえ運動にいたるまで、この政治的課題を課題となしうるまで、活動はたゆまず熱烈に、国のすみずみ、家庭のすみずみ、職場のすみずみまで精力的に行われなければならない。日本が心ならずも戦争に巻き込まれる恐れは、岸政府が存続する限り無くならない。

 

※出典:「うたごえ新聞」1月11・21日付

 

● 日本のうたごえ実行委員会 活動方針 -2月7日決議

1960年は輝く平和の星に導かれて、人類にかつてない「武器を持たない平和」の第一歩を踏み出した年である...

 

1959年、日本のうたごえ祭典で掲げた ”平和のうたごえを更に高め、戦争準備の安保体制に反対しよう” に基づく当面の活動は、うたごえを全国民のものにする活動をさらに積極的に展開することによって、安保体制をはね返す力を職場、地域の中につくりあげることである...

 

一.活動の基本的な内容と具体的な計画

A.国民の日常の闘いと生活を生き生きとうたいあげよう

イ.私たちは歌いたいという要求を、全職場の労働者の闘いと生活に結びつけて、うたごえを職場の中に広めてきた。さらに、全国民、全労働者の共通の闘いと生活を、職場、地域のうたごえの中に、生き生きと反映し、うたいあげなければならない。その中心的な内容は、平和を守る闘い、とくに安保体制を打ち破る闘いである...

[後略]

 

※出典:「うたごえ新聞」2月1・11日付

 

● 日本共産党主催「新安保批准阻止 総決起大会」-4月17日

 日本共産党中央機関紙「アカハタ」1960年4月18日付 第1面
 日本共産党中央機関紙「アカハタ」1960年4月18日付 第1面
「うたごえ新聞」1960年5月11日付 第1面
「うたごえ新聞」1960年5月11日付 第1面

 

 

「うたごえ新聞」5月11日付 第1面より関連記事

 

“東京 安保反対 決起集会に うたごえ響く“

 

さる4月17日、共産党主催による安保阻止総決起大会が、日比谷野外音楽堂で開かれた。

 

第1部、文化行事 “どんと来い” では、中央合唱団をはじめ、合唱団「白樺」、新宿合唱団、闘争中の日特鋼労組、その他が出演、うたごえの、安保阻止の先頭に立って闘うという姿勢をはっきり示し、参集者に大きな共感を呼び起こした...

 

● 日本のうたごえ実行委員会 声明

「われわれは新安保条約に反対する」

 私たちは今、岸政府が強行しようとしている新安保条約の批准が、新しい戦争を準備する体制を強めることになると考え、平和を愛する者として、反対してきました。

 しかし政府は、多数の国民の意志を踏みにじり、5月20日未明、国会において警察官に守られながら、自民党だけで一方的に新安保条約を可決しました。

 私たちは、非民主的な暴挙に、憤りと共に、戦争への大きな不安を感じます。

 今こそ平和を願う私たちの希望を率直に、声を大きくして叫ばねばなりません。

 日本のうたごえ実行委員会は、次のことを声明します。

 1.新安保条約に関する国会のこのたびの議決を認めることはできない。

 2.このような非民主的な暴挙を行った岸内閣は辞職すべきである。

 3.国会を解散して国民の信を問うべきである。

 私たちは、平和のうたごえを愛する者として、新安保条約が阻止されるまで、全国民と共に、以上の主旨を貫く活動を進めます。

 1960年5月

 

※出典:「うたごえ新聞」6月11日付

「うたごえ新聞」1960年6月11日付 第1面より
「うたごえ新聞」1960年6月11日付 第1面より

● 6・22 新安保条約批准阻止 政治ストライキ

 「うたごえ行動隊」の出動

 日本共産党中央機関紙「アカハタ」1960年6月23日付
 日本共産党中央機関紙「アカハタ」1960年6月23日付
 上の「アカハタ」紙面中央の写真を拡大 -“国労組合員を激励するうたごえ行動隊 (国鉄上野駅構内で)”
 上の「アカハタ」紙面中央の写真を拡大 -“国労組合員を激励するうたごえ行動隊 (国鉄上野駅構内で)”

● 日本のうたごえ祭典 基本方針 -10月9日決議

三つの祭典スローガン

 一、うたごえは平和の力

 二、安保廃棄・全面軍縮のうたごえを国のすみずみに

 三、いのち新たなうたごえで、たたかいの世紀をひらこう

 

七つの祭典基本方針

 (一)安保阻止の闘いを中心とした今年一年の国民の闘いの勝利の確信を生き生きとうたおう。

 (二)[後略]

 

※出典:「うたごえ新聞」10月15日付

 

● 日本共産党中央委員会 文化部員(当時) 松田貞夫氏の論述

- 日本共産党中央機関紙「アカハタ」12月9日付 第4面より

“「日本のうたごえ祭典」を迎えて”

 

「1960年日本のうたごえ祭典」が12月9日から3日間、東京で開かれる...

 

全国から祭典に集まってくる人々は、安保反対、三池、総選挙などの諸闘争の生々しい息吹をもって、仲間意識と団結の思想を力強くうたいあげ、呼びかわそうとしている...

 

今年の祭典は、次のようなスローガンを掲げて結集している。

 

それは、「うたごえは平和の力」「安保廃棄、全面軍縮のうたごえを国のすみずみに」「いのち新たなうたごえで、たたかいの世紀をひらこう」である...

 

日本人民の歴史的な大闘争であった安保闘争と三池闘争は、新しいうたごえ運動の方向づけをした。

 

新しいうたの創作活動と、それの普及、合唱活動は、「どんとこい」「がんばろう」「三池の主婦の子守唄」などでも分かるように、前進し、数多くの作品を生み出した。

 

また、人民の新しい芸術への自覚は、民族的な創作曲をつくりだし、民謡が数多くとりあげられてきた。

 

安保闘争は、とくに青年のあいだに大きな影響を与え、それは総選挙闘争と結びつき、未組織労働者への活発なうたごえ工作活動となって現れた。

 

東京、福岡、宮崎、鹿児島、福島、京都などでは、うたごえ工作班の活動が新たに起こされた...

 

これらのことは、労働者階級の指導のもとに、政治的な闘いと諸権利の闘いが、大衆的な音楽運動と結びつき、さらに、「民主主義を守る音楽家の会」「関西音楽人の民主主義を守る懇談会」の専門家や労働者を中心にした労音の音楽運動の結合などを通して、大衆的音楽運動を前進させた具体的なあらわれである。

 

この事実は、政治問題や社会問題や勤労人民大衆の闘いと結び付くことが、音楽運動を成功させるカギであることを、経験を通して示している。

 

日本のうたごえ運動はいま、新しい発展の段階にある。

 

当面の課題は、日本人民の巨大な運動の前進とともに、これからのうたごえ運動をどのように進めていくか、ということである。

 

人民の諸闘争と結合し、発展させることと、諸闘争に奉仕することは、先進的な活動家の主要な任務である。

 

未組織労働者の中へうたごえを拡大することは、うたごえ運動の発展における新しい威力となる...

 

たたかいの魂をうたった歌は、すべての人を揺り動かす。

 

たたかいの中で生まれた無数の創作と、同時に、何をどう歌うか、という問題もきわめて重要である。

 

安保闘争とその後の運動の発展、とりわけ総選挙闘争をたたかうことによって、うたごえの活動家が大量に、(日本共産)党の陣列に加わった。

 

無数のうたごえ活動家を思想的、政治的、芸術的に高め、職場、地域に育てあげることは、こんにち実際的に必要に迫られている。

 

多くの若い労働者、農民が、日本人民の進むべき道を体で感得しているとき、以上の課題に取り組むことは、うたごえ運動の基本的活動路線である。

 

さらに、新しいうたごえ活動家の育成は、(日本共産)党の文化活動、大衆活動の発展にとって、きわめて重要である。

 

日本共産党中央機関紙「アカハタ」1960年12月9日付 第4面より(写真は2回クリックで段階的に拡大します)
日本共産党中央機関紙「アカハタ」1960年12月9日付 第4面より(写真は2回クリックで段階的に拡大します)

1961年

● 日本のうたごえ実行委員会 活動方針 -2月5日決議

[前略]

三、活動の基本的な内容と具体的な計画

A.国民の闘いの生活をうたごえに花咲かせよう

(イ)私たちは安保廃棄の闘い、三池闘争を中心として、労働者・農民の様々な生活を積極的な方向で歌いあげ、多くの人々と前進的な意味で結合し、この結合が原動力となって、うたごえ運動をたゆみなく前進させてきた。

 国民の闘い内容が豊かになり、ますます多くの新しい層の人々が闘いに参加してきている現在、内容の中心は、全面軍縮をめざす平和の闘い、安保を破棄し、合理化をはね返す闘いである。

[後略]

 

※出典:「うたごえ新聞」3月1日付

 

● 作曲家 荒木栄氏の談話

- 日本共産党中央機関紙「アカハタ」12月19日付 第6面より

“躍進する「日本のうたごえ」座談会(上)”

 

うたごえは平和の力、安保廃棄のうたごえをさらに高め、日本を平和のとりでに」をスローガンに、1961年日本のうたごえ祭典は(1961年12月)9日から四日間、東京に日本中から3万人のうたごえの仲間を集めて、大成功のうちにその幕を閉じた。

 

うたごえ運動は、とくにこの一年、歴史的な安保闘争、三池闘争をはじめ、それに引き続く政暴法粉砕のたたかい、基地闘争など、人民のさまざまな闘いと生活に結びつき、その中から200曲あまりの新しい創作曲を生み出すという成果を収め、人民の統一と団結のために大きな力を発揮した...

 

今年の祭典を中心に、うたごえ運動の発展を色々な側面から総括し、日本の独立のために、さらにいっそう大きな力になるようにと、関忠亮氏をはじめ、祭典実行委員会、職場、地域の代表に話し合ってもらった。

 

 荒木(栄・大牟田センター合唱団所属):


うたごえ運動が人民の音楽運動として展開されている、本当に音楽運動らしくなったと言えると思います。

 

三池闘争の教訓を正しく発展させている大牟田では、いま、「企業合理化反対がんばろう」「二つの敵(米日反動勢力・日本独占資本)を明確にしていく統一戦線を築きあげてがんばろう」、これを、たたかっていく若者の気持ちとして、ぴったり結びつけて、それを農村にまで及ぼしてゆく状態が出てきています...

 

九州のうたごえについて討議した時、「心には夜はない」と言うけれども、俺たちの心や職場は暗い。

 

そこだけ見れば、俺たちは「心には夜はない」と言い切れる根拠は無いが、闘い抜いてきた確信がある。

 

したがって、それが創作の中にも出てきている。

 

統一の問題を知るためには、敵が明らかにならなければならない。

 

敵を明らかにする点で、たとえば、三川の労働者合唱団が去年に引き続いて第1位になったけれども、去年は、なぜ第1位になったのか分からなかったが、今度はすぱっと分かった、と言っている。

 

それは、米日反動の搾取と命をかけた闘いが繰り返されているので、「敵は米日反動」と、すぱっと言えたからだ。

 

三池では、今までは「独占資本だけが敵だ」、というように指導された研究会もあったのですが、まさに「俺たちの敵は米日反動である」、という日常の活動が、第二組合に対しても手を差し伸べようと、統一の問題を歌っている確信を持って、この問題を集中的に討議しているということが、非常にたくましい特徴だと思います。

 

合唱発表会、創作発表会、農村のうたごえを通じて、一貫して言われていた「政暴法反対、アメリカ帰れ」というように出てくることは、これは、うたごえが共産党に指導されているかどうかの問題ではなく、本当にみんなが民族独立、平和の問題を真剣に考えているから、「反対」となって出てくるんです。

 

日本共産党中央機関紙「アカハタ」1961年12月19日付 第6面より(写真は2回クリックで段階的に拡大します)
日本共産党中央機関紙「アカハタ」1961年12月19日付 第6面より(写真は2回クリックで段階的に拡大します)

1968年

● 日本のうたごえ祭典 基本方針 -8月18日決議

[前略]

二、情勢の特徴と祭典の意義

...活動の経過で明らかにしたように、今年、日本のうたごえ実行委員会は、ベトナム侵略反対・軍国主義復活反対・返せ沖縄・安保廃棄・生活と権利を守る日本国民の要求とたたかいに結びついて...うたごえを平和の力に役立て、平和で健康な音楽を求める国民の要求に応えてきました...

 

三、祭典の基本的内容と準備活動

(イ)基本的内容

...

(1)ベトナム侵略反対、返せ沖縄、安保破棄など、世界の平和と日本の独立、生活と権利を守る日本の国民の生活と闘いをうたいあげ、うたいかわしましょう。

[後略]

 

※出典:「うたごえ新聞」9月1日付

1969年

● 日本のうたごえ祭典 基本方針 -8月31日決議

一、情勢の特徴と69年祭典の意義

...安保反対・沖縄の核つき返還反対の世論は国民の過半数におよび、4・28、メーデー、第15回原水禁大会、母親大会、平和友好祭などの成功、健保改悪反対、「大学立法」反対などでの民主勢力の統一行動の広がり、東京都議選、那覇市議選などでの民主勢力の前進など、佐藤内閣打倒・国会解散をかかげる国民の闘いは、労働者の10・21大統一行動をはじめ、70年「安保固定期限終了」を目指して、大規模に発展しようとしています。

 

...この中で、歌劇「沖縄」の「プロローグ」「きよ子の朝のうた」「作業うた」などが各地で広められ、制作活動は、第2稿の台本読み活動が広がり、台本第3稿が完成し、作曲は第2幕まで進んでいます。

 

そして、歌劇「沖縄」への期待と協力が広がり、屋良(朝苗・沖縄行政)主席、美濃部(亮吉)東京都知事、蜷川(虎三)京都府知事をはじめ、各界の協力が強まっています...

 

二、祭典の基本的内容と準備活動

(1)基本的内容

1969年日本のうたごえ祭典は、70年安保闘争を迎えるにふさわしい祭典として、うたごえ20年の優れた成果を受け継ぎ発展させ、平和で健康な音楽を求めるすべての人々の祭典として開かれます。

(イ)安保廃棄・沖縄全面返還・ベトナム侵略反対など、世界の平和と日本の独立を守る日本の国民の生活と闘いをうたいあげ、うたいかわしましょう。

[後略]

 

※出典:「うたごえ新聞」9月10日付 

 

● 歌劇「沖縄」全幕初演 -12月10日 東京・文京公会堂

-歌劇「沖縄」の成功で69年祭典の幕をあげよう!-

 (「うたごえ新聞」12月1日付 第1面より引用)

 

69年日本のうたごえ祭典の第1日目をかざる歌劇「沖縄」の初演まで、残すところ10日となりました。

 

歌劇「沖縄」は、日本のうたごえ運動20周年を記念する事業として取り組まれ、3年の日数と、うたごえ内外の創作活動家の集団による総力をあげてつくられ、演奏分野の活動家の全力量を集めてつくられたものです。

 

さらに、沖縄と本土における制作上演実行委員会の全国的な知恵と力、各界の期待と支持と協力など、民主勢力の壮大な共同の事業として、すすめられてきた活動です。

 

初演の成功は、この大きな運動を力づけ、さらに来年度の全国公演成功の第一歩となるものです。

 

70年の安保廃棄・沖縄全面返還を目指して、佐藤(栄作首相)訪米反対・国会解散・総選挙という日本国民の巨大な足取りの中で、歌劇「沖縄」初演が、国民の闘いに応え、これをはげます力となることは、疑う余地がありません...

 

   「うたごえ新聞」1969年12月1日付 第1面
   「うたごえ新聞」1969年12月1日付 第1面

1970年

「うたごえ新聞」1970年7月10日付 第1面
「うたごえ新聞」1970年7月10日付 第1面

● 6・23全国統一行動 ”夜空にひびく安保廃棄”

(上写真「うたごえ新聞」第1面より記事文を引用)

 

6月23日、日米安保条約の固定期限の切れた日です。

 

この日以後、日米どちらかの政府が安保をやめると通告すれば、一年後に廃棄できるのです。

 

この日、東京をはじめ、全国各地で「安保を廃棄しよう」「基地つきでない沖縄を返せ」と集会が開かれました。

 

東京では社会党、共産党、総評、平和委員会など、統一実行委員会主催で午後6時から、原宿のメーデー会場である代々木公園に、22万人が参加して、「安保条約廃棄宣言、平和、中立、生活擁護を目指す6・23全国統一行動中央大集会」が開かれました。

 

うたごえの仲間たちも、この日に向けて、「国じゅうひとつに」の創作曲を広めながら、安保学習会、みんなうたう会、うたごえ行動隊編成などを取り組み、参加してきました。

 

開会前、うたごえの仲間たちの音頭で、つぎつぎに力強い合唱が、会場から湧き起っています。

 

「がんばろう」、十年前、60年安保の闘いとともに闘われた三池でつくられ、広がったこの歌。

 

70年は安保を廃棄する民主的な政府をつくろうと、明るい展望の中で、こぶしを突き上げます。

 

「沖縄を返せ」「一坪たりとも渡すまい」「新しい太陽は昇る」。

 

何よりも、沖縄の仲間たちへの熱い連帯の思いが、うたごえをひとしお力強く響かせました。

 

「安保イラナイ」「公害なくそう」、思い思いの要求をゼッケンに書いて、うたごえ行動隊は一斉に平和歌曲集を広めました。

 

集会後のデモ行進には、うたごえ行動隊は、約300名が文化団体連絡会議の隊列に加わり、青山-国会横-新橋土橋のコースを行進し、夜を徹してうたごえを響かせました。

 

※出典:「うたごえ新聞」7月10日付 第1面

 

● 日本のうたごえ祭典 方針 -8月30日決議

[前略]

二、70年祭典をめぐる情勢と課題

...

(三)「平和で健康な音楽」を求める私たちの希望、理想、感情、気分、志向に逆行する軍国主義的、反動的な政治や文化に対して、日本のうたご実行委員会とともに手をとりあい、力をだし、助けあい進む人びと、団体、勢力はますます大きくなり、強くなっています。

 沖縄全面返還・安保廃棄・しあわせな生活・世界の平和と日本の中立などの要求、願い、闘いは、国民の70%を超え、大多数になっています。そして京都府知事選での民主勢力の勝利、メーデー、6・23統一行動、原水禁大会、母親大会、平和友好祭など民主勢力の統一が強まり、前進し、70年代に ”新しい太陽はいま昇る” とうたわれるような、日本の新しい政治をうちたてる方向を目指しています...

 とくに、日本のうたごえ実行委員会が中心的な役割を果たした歌劇「沖縄」制作上演実行委員会による第1次全国公演の成功は、民主的音楽運動をはじめ、日本の音楽文化の発展に少なからぬ寄与をしました

 以上のことは、今年の祭典をめぐる情勢の特徴ですが、このような情勢の中で、祭典に何が期待され、熱望されているかを要約しますと、

 

イ 日本のうたごえ実行委員会を中心とするうたごえ運動の23年の成果を結集し、一千万人達成への展望を祭典に反映させる。

ロ 軍国主義的・退廃的な音楽に反対し、日本のすぐれた音楽的な伝統を守り、平和で健康な音楽を求める音楽サークル、うたう会、音楽愛好者、音楽家、音楽団体、文化人、文化団体の音楽創造と組織活動の成果を祭典に反映させる。

ハ 安保廃棄、沖縄全面返還、しあわせな生活と世界の平和を願う国民の感情、気分、志向、要求、たたかいを音楽創造と組織の両面にわたって祭典に反映、結集する。

 

以上の三つの課題になります...

 

三、70年祭典準備の内容

(一)70年祭典は次のような内容を基本にすることが必要です。

イ 日本のうたごえの23年の歴史を発展させ、一千万人達成を目指す。

ロ 軍国主義的・退廃的音楽に反対し、平和で健康な音楽を国民のものにする。

ハ 安保廃棄、沖縄返還、しあわせな日本をつくる。

以上の三つの内容をスローガンとして、これを認め、支持するすべてのサークル、うたう会、音楽愛好家、音楽家、音楽団体、民主団体などによって、広範な祭典実行委員会を組織し、その力によって祭典を行うことです。

[後略]

 

※出典:「うたごえ新聞」9月10日付

 

6・23 全国統一行動 "夜空にひびく安保廃棄"-「うたごえ新聞」1970年7月10日付 第1面
6・23 全国統一行動 "夜空にひびく安保廃棄"-「うたごえ新聞」1970年7月10日付 第1面