■1968年「台本第1稿」-"観客も含めた大合唱"
民族解放の日は近い
民族解放の日は近い
デイゴ
世界に赤き花の輪をみたせ
ベトナムへ 朝鮮へつらなる
戦列を固めよう
我らは必ず勝利する
我らは必ず勝利する
固き土を破りて
民族の怒りに燃える島
沖縄よ
我らと、我らの祖先が
血と汗をもて
守り育てた沖縄よ
我らは叫ぶ沖縄よ
我らのものだ沖縄は
沖縄を返せ
沖縄を返せ
ああデイゴの花よ
赤さ誇れ
赤く勝利のアジアに咲け
たゆまず守り育てた島祖国
解放の波よ波よ
ああ祖国洗え
沖縄を返せ
沖縄を返せ
わが祖国沖縄を返せ
我らの愛する
栄えあれ祖国よ
ああ
■1969年「台本第2稿」-"大合唱(大意)"
(正輝の屍をのりこえ、さらに団結を固め、たたかいをひろげて一坪一坪、とられた土地をとりかえしていこうと決意する農民たちの合唱に重なって、本土ではじめて沖縄返還国民大行進がはじまり、平和、独立の日本を建設する人びとのうたごえがきこえてくる。それをひき裂くようなジェット機の爆音。しかし、伊江島の斗いは屈することなく、昼となく夜となくつづけられ、その力は、沖縄に於ける土地斗争の柱となり、やがて1960年安保斗争にたちあがった本土の労働者、民主勢力の足音と合流し、さらにもえひろがっていく。大合唱の中で幕)
■1970年「第1次全国公演版・決定稿」-"大合唱"
ああ
豊かに波打つ黒潮よ 雄々しくそびえたつ立頂(たっちゅう)よ
とどろく海鳴り かわらぬ心つげる
ふみ荒らされた ふるさとの土に
しあわせな明日 築いて行こう
怒りをたたかいに 心をあわせ
沖縄をこの手に 沖縄をこの手に
ふみ荒らされた ふるさとの土に
みどりもえたつ 勝利の朝を
怒りをたたかいに 心をあわせ
沖縄をこの手に 沖縄をこの手に
祖国の独立 勝利を 勝利を この手に
喜びの日を ともに迎えよう 祖国の夜明け
ああ
■1972年「第2次全国公演版・決定稿」-"大合唱"
美しいうたごえは ふるさとにひびき
咲き誇る花は こころに赤く
サアサ ユイシイ サアサ ユイシイ
ハイヤイヤ この手に
青空にむかえよう みんなの笑顔
たくましい足取りは ふるさとの土に
幸せなあしたを 築いてゆこう
サアサ ユイシイ サアサ ユイシイ
チバテユカナ みんなで
この土に育てよう みんなの宝
幸せなあしたを つくりだそう この手で
幸せなあしたを つくりだそう みんなで
喜びの日を ともに迎えよう 祖国の夜明け
ああ
※典拠
1968年:「歌劇『沖縄』全幕台本」沖縄制作委員会発行
1969年:「歌劇『沖縄』全幕台本(第2稿)」沖縄制作委員会・日本のうたごえ実行委員会発行
1970年:歌劇『沖縄』レコード解説書 制作・音楽センター
1972年:歌劇『沖縄』第2次全国公演で用いられた楽譜より復元